あの夢の続きをもう1度描けたら
「エレレセッド!」
「ベニア・エドナデ……きゃっ」
お兄ちゃんはわたしを妨げようと魔法を唱える。
だから負けずに光の斬撃に魔法で対抗しようとしたが、呪文を言い終える前にやられてしまった。
お兄ちゃんの優しさなのか、壁に勢いよくぶつかっただけで怪我はしなかった。
「お前は引っ込んでろ!」
「お兄ちゃんが今何しようとしてるかわかってる!?」
「知ってる! でも、この人がこの世からいなくなってしまえは、俺は……死んでもいい!」
お兄ちゃんにそこまでの覚悟をさせてしまったこの人に憤りを感じる。
殺されそうなその人……お兄ちゃんの本当のお父さんはわたしを見つめて「助けてくれ……」と震えながら嘆願した。
その姿が弱々しくて、情けなくて。
わたしは皆に守られてた時のことを思い出す。
あの時は何もできなくて、ただ助けを請うだけのわたしだった。
──でも今は違う。