あの夢の続きをもう1度描けたら
俺は真相を知りたくて、思い切ってドアを開けた。
俄かに信じられないと顔に書いてあるかのように、俺を見たお母さんとその女性は息を飲んだ。
信じられないのはこっちのセリフだ。
「……」
何も言わなかった。
まだ嘘だって言われたら信じられるから。
でもお母さんはそれで話を聞かれてしまったと観念したのだろう。
俺に全てを教えた。
それはこの世のものとは思えないくらいに最低で、奇跡みたいなものだった。
「ちょうど今テレビに出ているはずよ」
その女性は「リモコン借りるね」と一言断って、テレビの電源をつけた。
チャンネルを回して、止めたのはとあるワイドショー番組。
そこには司会者のアナウンサーとレギュラーの俳優たち。
ゲストであるとある男性アイドルグループが楽しそうに談笑していた。
「この人よ。あなたのお父さんは」
女性はその男性アイドルグループのあるメンバーを指さした。