あの夢の続きをもう1度描けたら

『ちょっとどういうことお兄ちゃん!』

『雛乃がトラオムで色々食べちゃうから夜ご飯食べれないと思って言い訳作ったんだよ。雛乃の成績も上がるし俺も教えるし、いいでしょ?』


お兄ちゃんに文句を言っても見事に返され、押し付けがましいことにわたしの勉強を見てくれるようになった。

お兄ちゃんが生き生きしてるし、わたしもお兄ちゃんが好きだからそれでもいいんだけど。


慣れない上に嫌いな勉強をするというのも疲れるものだ。

睡眠不足は解消されたけど、今度は違う意味で悩みそうだ。


というわけなので、色々やることが盛り沢山なわたしはさっさと帰宅して休みたいのだ。

そんなわたしのところにトモくんがやってきた。


「雛乃先輩。また明日」


「うん……あのっ、返事決まったんだけど……」

「……文化祭の時に聞きますね」


告白されてから色々考えた。

だけど……わたしはやっぱりユキのことが好きだ。


トラオムが崩壊して消えて、わたしとお兄ちゃんが魔法を使えなくなって早2週間。

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