あの夢の続きをもう1度描けたら
ユキに会えなくなってもこの想いは無くなるどころか加速していくのだ。
時間が解決してくれる、そう思ったけどわたしには通用しないらしい。
そのことはお兄ちゃんと柚子には言っていない。
言ってしまえばお兄ちゃんが自分を責めてしまうのがわかっているからだ。
柚子に関しては前にも言った通りで、伝えたら『現実を見なさい』とでも言われてしまいそうだから。
柚子はそんなこと言わないかもしれないけど、わたしを心配しての言葉だとしたら十分にあり得る。
トモくんと別れて、わたしは柚子を待ちながら遠くを眺める。
ふと、花壇にある遅咲きのアサガオが視界に入った。
アランとユラハが育てたアサガオが咲いたところを見ることはできなかった。
あの2人は最後の最後まで笑っていた。
「そうか……もう会えないんだ……っ」
そうして泣く寸前のところで柚子がやってきた。
「あんた、何アホ面してんのよ」
柚子でもわかるくらい、様子がおかしくなって空元気になってしまうのだ。
いつも通りの帰路を辿るけど、やっぱり皆のことで頭が埋め尽くされた。