あの夢の続きをもう1度描けたら
「ただいまー」
「おかえりー」
「あれ、お兄ちゃんは?」
「迅は大学の課題に追われてるから放っといてあげて」
家に帰って、まずお兄ちゃんのことを聞くわたしはお兄ちゃんのことが大好きで仕方ないみたい。
お母さんも真白さんも仲のいい兄妹なこと、と嬉しそうに笑っていた。
わたしは部屋に入って、パジャマを取り出すとすぐにお風呂に向かった。
「はぁ……」
お風呂に浸かって、わたしは初めてのことを思い出して懐かしんだ。
初めてトラオムに来た時は、ニゲラを助けるために何もできないくせにドラゴンに対抗して……ユキに助けてもらったっけ。
ドラゴンの攻撃に服の一部が凍ったわたしはユキの魔法で溶かしてくれた。
それで腰抜けたわたしをお姫様抱っこして……
ああ、思い返すだけでも恥ずかしい!
重かったんだろうなーと申し訳なくなって、わたしは脳内から忘れ去ろうと頭をぶんぶん回す。