あの夢の続きをもう1度描けたら
次に脳裏に頭に浮かんできたのはわたしがアーケード街でニゲラに名前をつけた時。
好きな曲のタイトルで“ニゲラ”ってつけたんだよね。
そんな簡単な理由でいいのかなとか、センスに自信がないなとか不安だったけど、ユキが良い名前をもらって良かったなってニゲラに笑いかけてくれたんだ。
『ヒナノは魔法を使える』
『この間までは光すら出せなかったんだから進歩してる。大丈夫』
『お互い助け合ってきた。これからもそういう関係でいよう』
『笑っててよ、ヒナノ。俺はお前の笑顔が好きなんだ』
『今両手塞がってるから、食べさせてくれない?』
『俺がそばにいるから』
ユキとの思い出はいっぱいいっぱい、わたしの胸に残っている。
「……っ、うっ、わぁぁ……っ、ユキ……会いたいよ……っ」
ぼろぼろと零れ落ちていく。
そのせいでお風呂を後にするまでだいぶ時間がかかってしまった。