あの夢の続きをもう1度描けたら

そのままトモくんの顔を見ると、ユキの面影と重なる。

よくよく見れば、ユキとトモくんはそっくりだった。

どうして気づかなかったんだろう。



「──ヒナノ」

「……っ」



ずっと会いたくてたまらなかった、大好きな人の声と一緒だった。


「もう先輩って呼ぶのやめてもいい? 今までずっとそうしてたんだし」

「わたし……わたし……」

「どんだけ驚いてるの。ジン様もそんな感じだったし。王様と似てるんだな」

「お兄ちゃん、どうして言ってくれなかったの……っ」

「ヒナノを驚かせたかったから口封じしといた。おかげで大成功だ」


昨日、お兄ちゃんに話した内容ってそういうことだったの?

だからお兄ちゃんも嬉しそうだったの?


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