あの夢の続きをもう1度描けたら

本当なのと尋ねると、ユキくんはこくんと頷き「いつも最後には2人だけの世界に入るから、俺がいてもいなくても同じだろ」と言い加えた。

ああ、だからユキくんは座らなかったんだ。


「あ、やべ。俺そろそろ帰るわ」

「わたしも長居するわけにもいかないし、そろそろお暇しようかな……」


これはふたりきりにした方がいいよね。

ユキくんがわたしにアランとユラハの関係を打ち明けた直後に言うということは、そういうことだ。


お風呂貸してくれたお礼は改めてちゃんとしよう。

……きっと、元の世界に帰れないし。


「あの、また来てもいい?」

「もちろんだぜ! 私もヒナノと話せて楽しかったしな! な、ユラハっ」

「うん。また来てくれたら嬉しいよ」


わたしはユキくんと一緒にユラハの家を後にした。


「今日は本当にありがとう。じゃあね!」

「なあ、ヒナノ」


外に出て別れようとするわたしはユキくんに呼び止められる。

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