あの夢の続きをもう1度描けたら

無言のまま歩いていくと、突き当たりまで来たようだ。そこから左右に道が分かれている。


ユキは分かれ道を左に曲がるらしい。

記憶が合ってるなら、先程の森に向かうならここを右で合ってるよね。


「ねえ、あの森ってあっちでいいの?」

「ああ……って森に行くのか? この時間は危ないぞ」

「だ、大丈夫! 魔法使うから!」

「……気をつけろよ」


見え見えの嘘をどう思われたかわからないけど、なんとかやり通せた。


「何かあったら、すぐユラハの家に行くんだぞ」

「わ、わかった……! ありがとうね!」


そして今度こそユキと別れて、わたしは森へ駆け出した。

……家に帰れる手掛かりを探すために。


途中迷子になって遠回りしてしまったが、なんとかわたしが空から落下した場所まで辿り着けた。


「やっぱり何もないよね……」


だが、辺りを見回しても帰れる手掛かりらしきものなど何もなかった。

予想の範疇だったが、それでも焦りが生まれてくる。

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