あの夢の続きをもう1度描けたら
当時の柚子も根は真面目だけどとても明るくて、クラスの中心人物だった。
柚子は彼氏にとても一途だという話を人伝で聞いていた。
だから、今彼女は無理していると気づいた。
でも特別仲良くないわたしが出しゃばってもよくないからな。
『……無理だけはしないでね』
『雛乃ちゃんは優しいね……やられたらやり返すだけだから、別に心配いらないけど、ありがとう』
ありがとう、がとても感謝の言葉には聞こえず、嫌味をこもっていた。
そして柚子はそのまま彼氏がいる教室の方へ向かって行った。
『大丈夫かな……』
わたしは心配で心配で、帰る気分にならなかったから昇降口で柚子を待機することにした。
そうしていることしばらく。足音が聞こえて、柚子が来た。
『雛乃ちゃん……?』
『えっと……あの』
柚子の目が赤く腫れていた。
結構時間がかかってたから、やっぱり泣いてたんだ。