あの夢の続きをもう1度描けたら

『サイテーだよね、悠真』

『……そう、だね。彼女を大事にできない人はサイテーだよ!』

『ねえ、あんたさ暇人なの? ずっと私を待ってたわけ?』


柚子さん……?

あんなに柔らかくて、女の子らしいふわふわしている声が突然、ドスが効いてて尖った声に変貌した。


突然のことに呆気に取られる。

しかしすぐに気を取り直して、わたしは誤魔化すように笑った。


『まあ、心配だったから。確かに暇人だよね!』

『……あんたってほんとお人好し』


普段のようにクスッと笑うのではなく、ただ口角を上げただけ。

だけど、何故だがとても嬉しく思えた。


それからだった。お昼ご飯、柚子と一緒に食べるようになったのは。


そして、わたしだけに見せる柚子は本来の性格だと気づくのは遅かれながらその1週間後だった。

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