あの夢の続きをもう1度描けたら
『ふふ、ありがとう。君に頼って正解だった。頼りになるね』
対人用の感謝の言葉と
『あんた、何回お人好しって言われたいの? そんくらい自分でできる。まあでも、ありがと』
わたしに対する一応のお礼の言葉。
明らかに他人に猫を被る柚子を見て、思わず『なんか気持ち悪い』とこぼした。
『知ってる。だから私は良い顔ばらまいてんのよ』
『でも今の柚子の方が好き』
『……あっそ』
という感じで、今でも仲良くさせていただいてる。
柚子の口の悪さもあって、わたしも柚子には遠慮なくどんどん言っている。
友達は結構いるけど、気を遣わなくていい友達は柚子だけだ。
「柚子、生物室行こー」
「まだ準備してないから先行ってて」
「りょうかーい」
次の授業は移動なので、わたしは柚子を置いて廊下を歩く。