あの夢の続きをもう1度描けたら

「はぁ、はぁ……なんとか間に合ったね!」

「自由席だから、テキトーに後ろの方座ろ」


後ろの空席に座って、柚子はふと思いついたといったような顔をした。


「ねえ、さっきの人。どっかで見たことあるんだよね」

「え?」

「ほら、雛乃の消しゴム拾ってくれた人。1年生なんだけど、なんか知ってる気がする」


さっきの人って……ああ、あの切れ長の瞳の人。


あの人が拾ってくれた直後に柚子が来たから現場を見ていたのかもしれない。

確かに印象的だったが、わたしは心当たりがない。


「ねえねえ、1年生でさ、切れ長のおっきな目の男子知らない?」


すると柚子は対人用の声で前の席の女子に話しかける。

確か、その子はイケメンに目がなくて、学年問わずイケメン見ればキャーキャー言うミーハー女子。


「心当たりありすぎてわかんない。イケメン?」

「うん! イケメンでクールな印象で、背は170はあると思う!」

「えー、クールなイケメンは聞いたことないな。ごめんね、あたしの専門は爽やか系だからさ!」

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