あの夢の続きをもう1度描けたら
……学年問わずイケメンだったら、キャーキャー言うんじゃなかったの?
人それぞれのタイプというものがあるから、それはそれで仕方がない。
「そっか、ごめんね。変なこと聞いて」
「力になれなくてごめんよ〜!」
会話が終わるのと同時に先生が教室に入って、やがて授業が始まった。
まあ、何度もすれ違う訳だし、印象的な顔だから柚子が見たことあると思うのも不思議じゃない。
いずれ知るだろう。
***
異世界で不思議な体験をしてから1ヶ月が過ぎた。
わたしはいつも通り学校が終わって、家に帰ってくるとリビングにお兄ちゃんがいた。
「ただいまー」
「おかえり」
お兄ちゃんに異世界について聞きたかったけど、そんな簡単に聞き出せる内容ではない。
お兄ちゃんが異世界のことを何も知らなかった場合を考えると、聞いていいのかわからない。
「雛乃。制服がシワになっちまうぞ」
「疲れちゃったのー! ちょっとひと眠りしたい!」