あの夢の続きをもう1度描けたら

……学年問わずイケメンだったら、キャーキャー言うんじゃなかったの?

人それぞれのタイプというものがあるから、それはそれで仕方がない。


「そっか、ごめんね。変なこと聞いて」

「力になれなくてごめんよ〜!」


会話が終わるのと同時に先生が教室に入って、やがて授業が始まった。


まあ、何度もすれ違う訳だし、印象的な顔だから柚子が見たことあると思うのも不思議じゃない。

いずれ知るだろう。



***



異世界で不思議な体験をしてから1ヶ月が過ぎた。

わたしはいつも通り学校が終わって、家に帰ってくるとリビングにお兄ちゃんがいた。


「ただいまー」

「おかえり」


お兄ちゃんに異世界について聞きたかったけど、そんな簡単に聞き出せる内容ではない。

お兄ちゃんが異世界のことを何も知らなかった場合を考えると、聞いていいのかわからない。


「雛乃。制服がシワになっちまうぞ」

「疲れちゃったのー! ちょっとひと眠りしたい!」

< 52 / 316 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop