あの夢の続きをもう1度描けたら
Episode Ⅴ
恋する友達と戸惑い
夢から覚めて、起き上がると自分の部屋だった。
確か魔法教えてくれることになって、話がまとまって解散することになって……それで。
「いつから寝てたんだわたし……」
トラオムに行く時は夢じゃないのに。
どうしてこう……いつも夢落ちっていう展開なんだろう。
今のところ都合のいい時に目が覚めるけど。
もし寝ているわたしにお母さんが起こしたりしたら強制的にトラオムへの旅が終わってしまう。
それも今回、騎士団に襲われた時、ユキに魔力をあげる前に目を覚ましてしまったら、わたし達はどうなってたんだろう。
想像したくない。わからない。
だけどトラオムのことが気になってしまう。
「……」
寝ているとはいえ夢が夢で寝た心地がしなくて、疲れが全然取れなかった。
でも今日は平日だ。普通に学校がある。
重い足取りのまま、わたしは制服に手を伸ばした。