あの夢の続きをもう1度描けたら
教室に着くとやけに静かなのが気にかかった。
不思議に思いながらも着席して、トラオムについて考え始める。
だが、教室が静かすぎて逆に集中力が切れてしまった。
いつもはうるさいはずなのに、今日はどうしたんだろう……。
今すぐ立ち上がって柚子のところに行きたいけど、椅子を引く音は響くから無闇に立ちたくない。
なんでこんなに緊迫なオーラ出してるの……?
昨日まで普通に皆がやがやお喋りしていたじゃないか。
ここにいるクラスメイトのほとんどが席について机と向き合っている。
……机と向き合うといえば、読書か勉強しているってことだよね。
近くにいる人の机を覗き込めば、教科書やらノートを出していた。
スマホもいじっている人もいたけど、ニュースのサイトを見ていた。
なんでこんな真剣に……あ。
「お前らー、テスト1週間前だから時間割貼っておくぞ」
担任が教室に入って早々、試験当日の時間割を黒板に貼り出した。