【改訂版】新まりなの日記

【おカネめぐんでよぅ～】

４月26日・晴れ

この日の夜、アタシはまた指宿温泉の旅館へ行った。

この日も、福岡の貿易会社の社長さんが来館していた。

夜11時頃であった。

アタシは、社長さんと一緒にふとんに入って過ごした。

シルクのキャミソールとショートパンツ姿のアタシは、美川憲一さんの歌で『お金をちょうだい』を一通り歌った後、社長さんに言うた。

「社長さん。」
「どげんしたとね？」
「お願いがあるの。」
「お願い？」
「社長さん、社長さんカタの会社は、もうかってるの？」
「ああ、もうかっているよ…韓国の宝石メーカーとの商談が成立したから…気分がよかと…明日、超大金が入るとね…それで、お願いと言うのはどげんこつや？」
「おカネがほしいの。2000万円ほど…」
「2000万円。そげな大金をどげんしてまた？」
「アタシね、分譲マンションの部屋を３つこうたんよ…せやけど、足が出たんよ…不足分を銀行から借り入れて、その分でこうた…大急ぎでローンを全額返済したいけん…その分でとりあえず2000万円…アカンかったら、1500万円でもかまへん…アカン…よね…」

アタシの言葉を聞いた社長さんは、カネを出すと言うた。

このあと、社長さんはアタシに2000万円の小切手を差し出した。

「社長さん。」
「この小切手で、残りの返済にあてなさい。」
「おおきに…ホンマにおおきに…」

このあとアタシは、ふとんの中で社長さんに抱きついて、朝まで甘えた。
< 205 / 221 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop