【改訂版】新まりなの日記

【弁当と学食】

11月18日・晴れ

友人が大学で華の女子大生ライフを満喫しているとき、アタシはタダノの工場で朝から夕方まで働いていた。

友人は、ゼミナールが終わった後学食に行って温かい料理でランチを摂る。

アタシは、給料引きの約束で注文したお弁当でランチを摂る。

友人は、キャンパス内で同じゼミ生と一緒に学食で『今日は何を食べようかな？』と言う楽しみがある。

アタシには、そなな楽しみはない。

学校の給食と同じだから、ないよね…

学校の給食…

みんなが『いただきます。』と言って食べようとした時には冷めていた。

せやけん、いい思い出なんかない…

そんなある日の午後のことであった。

アタシがひとりでお弁当を食べていた時、60代後半の男性の作業員さんがアタシの向かい側の席に座った。

男性の作業員さんは、前の会社を定年で退職した後、地元に帰って工場（ここ）に再就職をした人である。

アタシが弁当を食べていない時、男性の作業員さんは『今日のお弁当は、しゅうまいとミートボールが入っているよ。』と優しく声をかけた。

男性の作業員さんと生前の父と面影が重なった。

生前の父は、水産加工会社に再就職をした時、給料引きの約束で注文したお弁当以外は口にしなかった。

『お弁当がおいしいおいしい。』と毎日のように言ってた父…

アタシは、亡き父を思いながら１食500円の手作り弁当を食べた。