そして、僕がみえなくなったら
ごめんね。

私のせいでこの世に引き留めたこと。


誰と接触することもできないのに、この世で漂い続けるなんて、辛かったよね。



ごめんね。

二度も怖い思いをさせたこと。


事故だけでも痛くて苦しかったはずなのに、一人で二度も辛かったよね。



ごめんね。

思ってもない言葉、言わせてしまったこと。


忘れて、なんて伊月の嘘でしょ?

忘れて欲しくなんかないくせに、私がもう泣かないように、そう言ったんだよね?



「ごめん、ごめんね。伊月」

「謝りすぎ。伊月がまた心配して現れるかもしれないだろ」



手を合わせる私の頭を軽く小突く憎たらしい手のひら。



「会えるなら会いたいよ、私は。昨日も今日も、これからもね」

「ったく、お前なぁ………」

「でも、笑顔の私に会いに来てほしいから」



まだ、会いに来てもらうには涙が出てしまうから。



「…………ねぇ、今日暑くない?」

「やだよ。自分で行ってこい」

「まだ何も言ってないじゃん!!」

「実和の考えてることなんて、手に取るようにわかるんだよ。ジュース買ってきて、だろ?」

「…………勇大って変なとこするどいよね。いいもん!自分で買ってくるから!」

「当たり前だ」

「勇大の分まで買ってきてやんないからね!!」

「はいはい」





青い空。

眩しい太陽の光。


今、伊月はどこで何をしているのか、私にはわからないけれど。



私は今日も君を想う。

そして、君がみえなくなっても。











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