そして、僕がみえなくなったら




「は?勉強会?俺と実和で?」

「そう!」

「どっちも教えられねぇじゃん」



翌朝、早速私が持ちかけた提案に、勇大は訝しげな顔をした。



「大丈夫!私が教える!」

「お前よりは俺のができると思うぞ」

「は?勇大よりは私の方が頭いいし!」

「そんなわけ………」

「あるに決まって………」

「どんぐりの背比べはやめなって」



呆れ(まなこ)の友人、みっちゃんに宥められながらも、私はめげない、しょげない、頑固さを発揮する。



「ね?やろうよ!旧校舎でさ!今日の放課後から!勇大も部活入ってないし、暇してるでしょ?」

「…………なんで旧校舎なんだよ」

「人いないから静かでいいじゃん!!」

「あそこボロいし、埃臭いし、あんなとこで集中できるか」

「出来るよ!!!集中なんて、本人次第なんだから!!」

「それなら、わざわざ旧校舎じゃなくてもいいだろ」



私が頑固なら、勇大は意固地だ。


一歩も引かない勇大に、もどかしくなる。



また、伊月と3人で勉強しようって言ってるのに、このわからずや!
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