呪われ聖女、暴君皇帝の愛猫になる 溺愛されるのがお仕事って全力で逃げたいんですが?


 ――我が家の猫様はとっても気品のある猫でございます。しかしながら、このところネズミを仕留めると毎回わたくしの足下に持ってくるのです。半年前にネズミを仕留めて褒めたことが原因かもしれません。彼はわたくしに褒めてもらいたいのだと思いますが、死骸を足下に持ってこられてはたまったものではごぜいません。猫様は可愛くはありますがこの行いには大変困っております。 愛猫家A

「ふうん。これは大変だな。うちのユフェは賢いから俺が嫌がるようなことはしないぞ」

 どうやらユフェは愛猫家Aの猫よりも賢いようだ。
 イザークは次の記事に移った。


 ――うちのにゃんこは外が大好きです。今日は雨で濡れてしまうから駄目だと言っても聞きません。いつまで経ってもつぶらな瞳で訴えられては、耐えられません。僕は渋々外へにゃんこを出してあげました。でも、すぐにニャアンニャアンと鳴いて入れてくれと懇願されました。ほんと、にゃんこって気まぐれです。 愛猫家L

「なんともお茶目な猫で可愛らしいな。だが、うちのユフェから雨の日は大人しく屋内にいるからこんなことにはならない。あともともと可愛い」

 ユフェは落ち着きのある猫のようだ。
 イザークは次のページを捲った。
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