恋愛境界線
scene.08◆ 今更だけど
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「……嘘、何で?」
さっきから何度呼び出しても応答のないオートロックシステムのパネルの前で、思わず焦りの声が漏れた。
いつもこの時間なら、若宮課長はとっくに帰ってきているはずなのに。
外から若宮課長の部屋を確認したけれど、真っ暗な所を見ると、どうやら本当にまだ帰ってきていないらしい。
若宮課長のスマホに連絡してはみたものの、こっちもこっちで一向に応答がない。
かれこれ半月以上住まわせてもらっているけれど、実は未だにスペアキーは渡されていなかった。
朝は若宮課長が先に出るものの、オートロックだから私が出る時にわざわざ鍵をかけなくても勝手に施錠され、夜は夜で、若宮課長は殆ど残業をすることがないから、当然私より早く帰ってきているわけで。
だから、ここのマンションのスペアキーを、私が持っていなくても何ら不便はなかったのだ。
そういう経緯もあり、おかしな話だけど、スペアキーを預かっておくという考えすら、今日までずっと持ったことがなかった。
「……嘘、何で?」
さっきから何度呼び出しても応答のないオートロックシステムのパネルの前で、思わず焦りの声が漏れた。
いつもこの時間なら、若宮課長はとっくに帰ってきているはずなのに。
外から若宮課長の部屋を確認したけれど、真っ暗な所を見ると、どうやら本当にまだ帰ってきていないらしい。
若宮課長のスマホに連絡してはみたものの、こっちもこっちで一向に応答がない。
かれこれ半月以上住まわせてもらっているけれど、実は未だにスペアキーは渡されていなかった。
朝は若宮課長が先に出るものの、オートロックだから私が出る時にわざわざ鍵をかけなくても勝手に施錠され、夜は夜で、若宮課長は殆ど残業をすることがないから、当然私より早く帰ってきているわけで。
だから、ここのマンションのスペアキーを、私が持っていなくても何ら不便はなかったのだ。
そういう経緯もあり、おかしな話だけど、スペアキーを預かっておくという考えすら、今日までずっと持ったことがなかった。