恋愛境界線
scene.10◆ それって、ヤキモチですか?
□□□□□□
「こんばんは。企画の若宮さんですよね?」
私たちのすぐ目の前までやって来た渚は、「以前にも社内で一度お会いしました、秘書課の緒方です」と、自ら名乗った。
「どうして、渚がここに……?」
「それはこっちのセリフ。どうして遥がここにいるのか、俺の方が訊きたいんだけど?」
失礼ですが、こちらは若宮さんのマンションですよね?と、渚が若宮課長に訊ねる。
若宮課長は仕方なくと言った風に口を開き、そうだと認めた。
「若宮さんだけでなく、遥も着替えて出てきたところを見ると、まさか遥もここに……?」
「ちょっと、渚!まさか、ずっとつけて来たの!?」
「まさか。駅前を通った時に、偶然二人が並んで歩いているのを見掛けて……だから、ずっと、ではない」
お互いに、“まさか”“まさか”と、まさかのラリーが続く。
「どっちにしろ、つけて来たことに変わりはないじゃない!信じらんない!」
渚こそ、ストーカーとして警察に捕まっちゃえばいい!
「こんばんは。企画の若宮さんですよね?」
私たちのすぐ目の前までやって来た渚は、「以前にも社内で一度お会いしました、秘書課の緒方です」と、自ら名乗った。
「どうして、渚がここに……?」
「それはこっちのセリフ。どうして遥がここにいるのか、俺の方が訊きたいんだけど?」
失礼ですが、こちらは若宮さんのマンションですよね?と、渚が若宮課長に訊ねる。
若宮課長は仕方なくと言った風に口を開き、そうだと認めた。
「若宮さんだけでなく、遥も着替えて出てきたところを見ると、まさか遥もここに……?」
「ちょっと、渚!まさか、ずっとつけて来たの!?」
「まさか。駅前を通った時に、偶然二人が並んで歩いているのを見掛けて……だから、ずっと、ではない」
お互いに、“まさか”“まさか”と、まさかのラリーが続く。
「どっちにしろ、つけて来たことに変わりはないじゃない!信じらんない!」
渚こそ、ストーカーとして警察に捕まっちゃえばいい!