恋愛境界線
「あ、渚」と反応するよりも先に、渚が私の隣の席にどかりと腰を下ろす。
それを見て、純ちゃんが「相変わらずだね」と笑った。
「ホントだよ。遅れてきておきながら、何でそんなに座り方まで偉そうなの?」
「私が言いたいのは、迷うことなく遥の隣に座るのが、相変わらずってことなんだけどね」
気にしたことはなかったけれど、言われてみれば、渚はいつも私の隣に座っている気がする。
「当たり前だろ。何が悲しくて、男と並んで食事しなきゃないんだよ」
「そういうところも相変わらずだけど」と、笑って済ませようとする純ちゃんの代わりに、「純ちゃんは男じゃありません!」と言って、テーブルの下で渚のくるぶし辺りを思いっきり蹴る。
「男じゃないって言われても、修学旅行とかで普通にコイツの裸を見てた身になってみろよ」
「わー!!渚っっ、それは記憶から抹消して!!」と、赤面する純ちゃんは超絶可愛くて、そんな純ちゃんに代わって、「渚、それセクハラ!!」と、私はテーブルの下でもう一度制裁を加えた。