恋愛境界線
scene.02◆ 親しみやすさという点では著しく反則レベル
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「それでは、今日のミーティングはここまでということで」


若宮課長の声に、営業部の担当者と開発部の課長や担当者が立ち上がり、資料を片手にぞろぞろと会議室から出て行く。


私の勤めるラヴィサン化粧品は、中堅だけど業界では老舗の化粧品メーカーで、ベースメーキャップブランドの一つでもある《レクラ》は、うちの看板ブランドだった。


だった、と過去形なのは、今はもう名前を変えてしまったからだ。


三年前、売り上げが低迷してしまった《レクラ》を一新することが決まった際に、リーダーに選ばれたのが、うちの課長――若宮馨だったらしい。


リーダーに抜擢された若宮課長は、上の期待に応えるがごとく《レクラ》のリニューアルに関して見事成功を収めた。


《リュミナリスト》というブランド名にリニューアルにしたそのブランドは、現在でも我が社の主力ブランドとなっている。


その功績を称えられ、若宮課長は翌年27歳にして異例の課長の役職へ就任。


このことは、新入社員も含め、会社の人間ならば誰でも知っていることだ。


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