恋愛境界線

「……若宮さん、何だって?」


渚の問い掛けに、件名を【芹沢です】に直しながら手早く返事を打ち込んでいく。


「んー?えっとね、帰りに買ってきて欲しい物があったみたい……っと、これで良し!」


【食パンと牛乳、了解です。今から帰りますね!】


簡素な文面で返信した後、「待たせてごめん」と二人に謝り、スマホをバッグに仕舞う。


渚は不満そうにしていたけれど、純ちゃんに促されてそのまま会計に向かった。


基本的には、会計はいつも割り勘だけど、たまに渚が全部出してくれる時もある。


あるいは、純ちゃんが出す時もあるけれど、私には絶対にそれをさせてくれない。


今日は渚が一人で支払いを済ませようとしていたのを、「いいよ、私が食べたくて誘ったんだし!」と、最後まで食い下がった。


そういう時はいつもそうなる様に、結果的に半分を渚が支払い、残りの半分を私と純ちゃんで、更に半分ずつに割って支払うことになった。


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