恋愛境界線
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「若宮課長、ただいま帰りました!頼まれた物、買ってきましたよー」


コンビニ袋をぶら下げながらリビングダイニングに向かうと、若宮課長は珍しくテレビを観ていた。


「有難う。それから、お帰り」


お帰り、の響きに、心ががじんわりと温かくなる。その理由は判らないまでも。


「ちゃんと、ご飯食べました?」


「適当に焼きうどんを作って食べたよ」


「……さすがは面食い」


結局外食してしまったけれど、それまでは、今夜は私が何か麺料理を作ってあげようと思っていただけに、課長のメニューを聞いてやっぱりと納得してしまった。アリクイがアリを食べる様に、面食いは自然と麺を食べるものなのかもしれない。知らないけど。


そんな馬鹿なことを考えていると、若宮課長が「ところで、これいくらだった?」と訊いてきた。


「いいですよ。食パンとか牛乳は、私も食べますし」


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