恋愛境界線
scene.15◆ 好きだなんて言えないのに
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「……またぁ?」


手元のスマホに視線を落とすと、そこに表示されたメールの文面に自然と落胆の声が零れた。


「えっ?」


職場のエレベーターの中だったことを忘れて思わず呟いた私の言葉に、偶然同乗していた深山さんが反応した。


「あっ、すみません。つい、友人からのメールに対する心の声が出ちゃいました……」


「あぁ、そうなんだ。つい、僕が何かしてしまったのかと思って」


エレベーターの中には私たち二人以外は誰も居なくて、深山さんは自分に向けられた言葉だと思ったらしい。


たった今届いたばかりのメールは若宮課長からで、今日も外で夕飯を済ませて帰るとのこと。


「あの、深山さんって今日予定入ってますか?」


「えっ?それって、どういう意味かな?」


どういう意味って……言葉通りの――


「あっ、違います!食事に誘おうとか、そういう目的があるわけじゃなくて……っ」


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