恋愛境界線
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「今日はいつもより混んでますね……」


チャーハンセットが載ったトレイを手に、食堂内を見渡す。


それなりに広さのある社員食堂が、今日は大勢の社員でどこもかしこも席が埋まっている。


「さっき雨が降り出したから、いつも外に食べに行く人たちも、今日はこっちに来てるんじゃない?」


二人で並んで座れるスペースはないかと周囲をぐるりと見渡すと、窓際付近に同期の子たちの姿を見つけた。


空いているのは一席分だけだけど、少し横に詰めてもらって、椅子は他から借りてくれば二人並んで座れそうだ。


こうしている間にも着々と過ぎていく時間が勿体なくて、支倉さんを窓際まで誘導する。


何とか席に腰を落ち着けると、とりあえず同期の三人を支倉さんに紹介した。


「……あの、ところでそれ、全部支倉さんがお一人で食べるんですか?」


同期の一人が支倉さんのトレイに載っていたランチを見て、遠慮がちに訊ねながらも(いぶか)しげな視線を向ける。


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