恋愛境界線

驚く純ちゃんに、私は昂る感情のままに今までの出来事を話した。


若宮課長のマンションに住まわせてもらっていた間のことや、気付いたら好きになっていたこと。


だけど、若宮課長には結婚まで考えた女性がいたこと。


今また、その女性と付き合っているみたいだということ。


泣きながらだったし、心がぐちゃぐちゃで、きっと支離滅裂な話し方になっていたと思う。


だけど、純ちゃんは口を挟むことなく、ただ黙って最後まで話を聞いてくれた。


最後に、「遥、一緒にいてつらかったよね」って言ってくれたから、涙は余計に溢れた。


泣きすぎた所為なのか、お酒を飲んで走った所為なのか、その後は頭痛が酷くて、いつ眠ってしまったのかも覚えていないまま、気付けばこんな時間まで深く寝入っていた。


今は頭痛はそんなに酷くないけれど、瞼が熱をもった様に熱く、重い。


きっと、目元は腫れぼったく、全体的に見るに耐えない酷い顔をしてるに違いない。


気にはなったけれど、純ちゃんに借りたアイボリーのシャツワンピースに袖を通し、そのまま寝室を出た。



< 353 / 621 >

この作品をシェア

pagetop