恋愛境界線
「そう、だったんですか……」
今となっては私にも不要な物だけど、それでも若宮課長が買い与えてくれた時の嬉しさを思い出して、処分されてしまったという事実に寂しさを感じてしまう。
支倉さんの手前、ここにいつまでも置いておくわけにはいかないのだろうけれど。
「それより芹沢君。君、声が少しおかしいみたいだけど、風邪でもひいたんじゃないか?」
「そう言われてみれば、喉が少し痛いです」
自分の喉元に手を当てて、「あーあー」と声を出してみる。
「……あーーーっっ!!!」
「なんだ君は。いくら声の調子を確かめる為とはいえ、突然そんな大声を出して。余計に喉を傷めるじゃないか」
「違います。そうじゃなくて、ふ、ふく」
「不服?」
「それも違います!服です、服!私の服が、またしても……っ」
脱がせられてるんですけど!!