恋愛境界線
先にやすめと言われても、どこで眠れば良いのか悩む。
きっと、課長は今日も私にベッドを譲ってくれる気でいるのだろうけれど、私としては、さすがに二日続けて課長をソファに追いやるのは気が引ける。
どうしようか迷ってリビングをうろうろしている内に、シャワーを浴びた若宮課長が戻ってきてしまった。
「早くやすみなさいと言ったのに、何をしてるんだ?君は」
「えっと、どこで寝ようかと……」
「病み上がりの人間をソファに寝させるほど、私は鬼じゃない」
だからベッドで寝なさいと言われても、素直に従う気になれない。
「でも、そうすると若宮課長をまたしてもソファに追いやることになるわけじゃないですか?いくらなんでも、気が咎めて眠れません」
「それなら、私もベッドで寝れば、芹沢君的には問題がないということか?」
「……へ?」