恋愛境界線

冷蔵庫には十分な食材がなかったものの、なんとかありあわせの材料で、コールスローとチャーハン、スープを手早く作った。


「純ちゃん、出来たよー」


それらをテーブルに運ぶと、純ちゃんがPC画面を凝視していた。


「写真、見つけられなかった?」


「ううん、あった。ただ、一つ気になったことがあって……。この人って、遥の知り合い?」


純ちゃんが指した画像は、以前私がスマホで撮ってPCへ転送しておいた若宮課長の女装姿の画像。


「あー…、うん、まぁそんな感じ。その人がどうかした?」


画像だけ見れば男だと疑う人はいないと思うくらいに、どこからどう見ても女性にしか見えない。


だけど、もしかしたら純ちゃんは見破ったのかもしれないとヒヤヒヤしてしまう。


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