恋愛境界線
scene.30◆じゃあ、一生のお願いを
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「あっ、私あのポスター好き!《クレアトゥール》の。可愛くない?」


「モデルもパッケージも両方可愛いよね。チークとファンデを試したけど、めっちゃ良いよ」


「ほんと?今使ってるファンデがなくなりそうだから、私も今度アレにしてみよっかなぁ」


駅の構内でポスターに足を止める女性の会話に、嬉しくてにまにましながら通り過ぎる。


電車に乗り、目的のマンションへ着くと、先に帰宅していた若宮課長が迎え入れてくれた。


「遅かったね。雨降ってなかった?」


「ちょっとだけ降ってましたけど、もうやみかけてますよ」


「傘を持ってなかったのなら、連絡をくれれば駅まで迎えに行ったのに」


そう言いながら、若宮課長がふかふかのタオルを差し出してくれる。


課長に好きだと言われて、私も好きだと伝えたあの日から、今日でちょうど一ヶ月が経とうとしていた。


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