恋愛境界線

そうしないと君はいつまでも延々と喋り続けそうだからね、と言う課長に一生のお願いを伝える。


「……その、ちゃんと、優しくして下さい、ね?」


その言葉に、若宮課長が笑う。


「頼まれるまでもなく、初めからそのつもりだよ」


そう告げられた途端、若宮課長が身体を乗り出してきて、再び唇を塞がれた。


「……んっ」


薄く開けた唇から、課長の舌が入ってくる。


上あごに触れられるとくすぐったくて、お腹の下の辺りが熱くなる。


歯列をなぞられると背中から腰にかけて、ぞくりとしたものが走った。


「……ふっ、んんっ」


口内をうごめく甘く柔らかな舌先に翻弄され、指先から次第に力が抜けていく。


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