恋愛境界線
―――――――……
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幸せな夢を見た。


上司である若宮課長が、眠っている私をベッドまで運んでくれる夢。


どうしてそんな夢を見たのかは判らない。


けれど、夢の中で運ばれている時、その腕の中がすごく心地良かったことだけは覚えている。


「んー……」


ぼんやりとした頭で、今日が何曜日なのか思い出そうと、ベッドの中で寝返りを打つ。


けれど、そこで目の前に若宮課長の顔がアップで映し出された。


私の頭の下に敷かれていた腕から、課長が僅かに身じろいだのを感じる。


そこでようやく、昨夜のことが頭の中に鮮やかに蘇り、軽くパニックに陥りそうになった私に


「……遥、起きたのか?」


若宮課長は、寝起きの少し掠れた声で私の名前を口にした。


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