恋愛境界線

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どんなに悲しくて、明日なんてこない気がしても


どんなに幸せで、明日なんてこなくていいと思っても


必ず陽は昇り、朝がやってくる。



「わっ、遅れる！」


「なぜアラームをセットしておきながら起きられないのか、理解に苦しむ」


ついでに起こしてくれてもいいのに、と思いながら急いで髪をセットする。


「いつも休みの前日にばかり泊まっているから、今日が休日だと勘違いして二度寝しちゃったんです！」


もう何度目になるのか判らない、課長のマンションで迎える朝だけど、今日は余韻に浸る暇もない。


しっかりとブローしている時間はなさそうなので、ワックスを使って毛先を手櫛でくしゃくしゃにし、無造作ヘアっぽくアレンジして誤魔化す。


バタバタしている私とは反対に、既に身支度を終え、出勤するだけの状態になっていた若宮課長が、鏡越しに私を見つめてきた。


「それならばいっそ、毎日ここに住めばそんな勘違いをすることもなくなるんじゃないか？」