さっきはごめん。



「あの後、君を追いかけようとしたら後輩に引き止められて、君と付き合ってると話したら証拠見せてくださいって言われてスマホの待受を見せたら…その、キレて投げられて壊れた」


「嘘よ」

「本当なんだっ」


必死な彼の顔に嘘なんかじゃなくて、そのせいで連絡できなくなったことはわかったけど…後輩がそんな乱暴的な性格だったことの方が衝撃すぎて。


「でも、ちゃんと振ったから」

「いや、でもそれ…」


今度は私が恨まれた目で見られそう。

付き合ってたこと黙ってたからもう嫌われてるだろうし。


「手出ししないよう釘も刺してきた」

「……そう」

「だから安心して」

「うん」

「あと、本当にさっきはごめんすぐ追いかけられなくて」

「……」

「誤解はしないで欲しい。俺が好きなのは君だけだから」

「でも、さっきキスされてた……隙があるからされるんだよ」

「あれはっ…その、自分でも油断してた」


普段、そんな隙なんて見せないはずの彼がどうしてあの時は隙を突かれたんだろう。



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