七色の魔法使い#6~凛とした花に想いを~
凛兄は、どこか懐かしそうに笑って話を始めた。

「ユキヤ様は、歴代の冒険者の中でも一番強かったみたいですよ」

ユキヤ様、という人のことを簡単にアイビーは説明してくれる。アイビーの説明に、凛兄は頷いた。

「ユキヤ様は強かったが、病弱でな。ユキヤ様は、病気で亡くなったんだ。亡くなる直前、ユキヤ様は『僕の力は、7つに分けて別の人間に託すよ……』と言った。……ユキヤ様の力をそれぞれ1つずつ分け与えられた人間……それがお前らだ」

凛兄は、僕らをじっと見つめた。

「……そして、冬都が持っているその青い炎を操る力。それは、ユキヤ様が生まれつき持っていた能力だ。その他の能力は、ユキヤ様が努力して後から手に入れたんだ……それに、冬都……お前は……ユキヤ様の生まれ変わりだ。ユキヤ様に、とても良く似ている」

僕を見つめて、凛兄は微笑むと僕の頭を撫でる。

「俺はユキヤ様が亡くなられた後、妖魔との戦いで死んじゃって……今の姿になった。それと、俺が持っている炎を操る力は、俺が前世でユキヤ様から頂いた力だ」

僕から離れた凛兄は、真剣な顔をして僕らを見た。

「……ここまでがユキヤ様の話だ。これからは、テオの話をするぞ」
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