七色の魔法使い#6~凛とした花に想いを~
「冬くん……どうして、僕らを頼らないのかな……」

紫月(しづき)は、銃を片手に僕を見つめた。フルートを吹くのを止めて、大智はフルートを杖に変える。

……え?

「……凛都さんから教えてもらった。楽器を演奏することで仲間の傷を癒すことが出来る力を持ってる……らしい」

「冬都……どうして、お前はいつも1人で無理をする?多分、妖魔に『1人で来い』って言われたんだろうけど……けど、お前も分かってたんだろ?1人では、助けられないって……俺らに相談しろよ。仲間なんだから……」

「輝一くんの言う通りだよ!もしかしたら、冬都くんが考え付かないようなアイデアが出たかもしれないよ?」

「……楓(かえで)ときぃくんの言う通りだと思う……」

「……皆、どうして……」

僕が問いかけると、妖魔の後ろから声がした。

「……『1人で来い』とは言ったけど、『絶対に仲間を連れてくるな』とは言ってないよね?」

妖魔は黒い光に包まれると、その場で弾ける。そこから剣を構えたアイビーが飛び出してきて、綺麗に地面に着地した。

「……冬都、大丈夫ですか?たまたま冬都を見つけたのですが、様子がおかしかったので黙ってついて来てしまいました」
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