嘘つきオオカミに恋する姫
「心ちゃん今日もありがとうね!」

「えー!ありがとう言うのは私の方だよ!
わざわざ会いに来てくれてありがとう。」

手を握りエレベーターの方に向かう。

「気を付けて帰ってね!ちゃんとお家に着いたら連絡してねー!」

なかなか離してくれない手をほどいてエレベーターに誘導した。
寂しそうな顔しながら帰って行く。

「はぁー、疲れたー。ぶりっ子とか本当私に合ってないから本当疲れる。」

黒いスーツをかっこよく着こなした私より少し年上の男が疲れきっている私の背中を擦りながら

「心さんお疲れ様です。
あのお客様だけですよね。
心さんがぶりっ子営業してるのって。」

「そうだよ。だから余計疲れちゃうんだよね。」


そう、私はキャバクラで働いてる。

グチグチ文句を言っててもなんだかんだこのお仕事が好きで辞められない。

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