王女ちゃんの執事1『で・eye』加藤さん、きれいです。
「な…ん、だったんだあぁあ!」

 防音設備をいいことにして思いきり叫んではみたものの。
 自分の人生を他人任せにするのか、おれ! …勝負の第1ラウンドは、あっさり敗退決定。
 わけのわからない事態に遭遇しただけで、これほど気持ち悪いのに。
 わけのわからない人生に突入する勇気なんて、出るわけもない。
「よし。忘れよう……」
 どうでもへたれ人間なのは、ほぼ18年も生きていればわかりきったことだしな。
 うん。



 それでも放課後はやってくる
 帰りの学活で、いつものように『オールメン、シーユートゥマロー』とかましたガイコツマンは、教室のドアを開けて出ていく前に、じろりとおれを見た。
 はいはい。
 ここで受け取ってくれようなんて親切は、もちろんないわけね。
 ちゃんとうかがいますですよ。
 ため息をつきながら立ち上がる。
 なにしろ用紙はまだ真っ白。
 こうなると、なんだって親に決められた進路をいくことに、こうもこだわっているのか。それすらあやふやだ。

 な~んか、ちがう気がする。とは思う。
 じゃあ、どうちがうのか。
 だから、なんか。
 なんかって、ナニ?
 だから、なんか。

 以上。
 意見は出そろいました。
 ディベート終了。

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