王女ちゃんの執事1『で・eye』加藤さん、きれいです。
『連休明けには、きちんと進路志望書を提出していただきます。あくまでも当校のカリキュラムに従えないとおっしゃるならば、今からでも、そのへんの公立高校に転校していただいてケッコーですよ。ミスター・アリ・カトウ』だってさ。

 見るからにやる気のない生徒に、さすがにガイコツマンもキレちゃったんだろうが。
 センセー、それはパートに出てまで高い授業料を払ってくれてきた母さんが、泣きまねをするセリフだぜぇ。
 まず泣いて。
 こっちをビビらせてからブチギレ→ガンギレ→父さん登場。
 あっさり女のうそ泣きにだまされる男に説教されるとか、人生がむなしくなって対決気分もなえるだろ。

 だったら自分のしたいことくらい、はっきりしちゃってくださいよ、おれ!


 そんな状況のまま連休中、ガイコツマンから最後通牒を突きつけられたことは両親には黙ったまま、ひとりでモンモンと宙ぶらりん。
 なにしろふたりとも、進路は2年生になったときに家族会議で決めた、地元の国立大学・教育学部に向けて着々と進んでいると思ってるから。
 そして末は教師か公務員。
「でも、さあ――…」
 高校の3年間ならまだしも、今度はその先に〈人生〉ってやつが、くっついてるわけだしなあ。

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