五月姫事変
「ねぇ、うちがどうかした」
ここは尼寺である、そしてまじまじと顔を見られた。瀧夜叉盛姫。、ショートボブの髪に、きりっとした三白眼。そしてふんわりとした曲線
尼寺の、尼さんであろうとも、18歳の乙女、少しは異性の目が気になるのである
「いや、別に」
そう答えるのは、同じく和服を着ている男。芦屋道満だ。
物語に出てくる、初代芦屋道満の子孫であり、この尼寺に入り浸る男でもある
「学校、あるんじゃないの?」
「まぁ、普通屋ったらあるんやけど、でも今日学校休みやしなぁ、
それよりもたっきーーお菓子ちょうだい」
「菓子かい。まぁ上がって」
そういうわけで、洋菓子を寺の中に常に用意しているというわけでもなく
まんじゅうになる
「おおきに、いただきます」
そういって、まんじゅうにかぶりつく
「うん、うまいわ」
ああ、重くなくしっとりとしたあんこの柔らかい甘さ、
チョコレートの其れとは違う、ああ、そうだやっぱりまんじゅうにはあんこだよな
ぁ
なんていうかさ、いや、別にたくさん種類用意したからいいというわけでもなくさぁ、なんだろうシンプルイズベストというか
やっぱり、原点がいちばんというか、(いや、まんじゅうの元となった点心は肉なんだけど)あんこだよなぁ
このチョコレートにもひけをとらない、かといって甘すぎない甘さはふわふわに
生地が、あんこの甘さをさらに挽き立て極上のまんじゅうへ帰る
口の中が天国これぞ日本の味
「日本人でよかったよ~~」
うう、これと熱いお茶があれば、いける、正直もう何回でもおかわりできる所存であるそう、これはおかわりの戦闘である
「負けませんぞ」
「いきなりどうした」
とはいえ、芦屋道満にはおまんじゅうを与えていればおとなしくなるので
しばらくお茶をついで、おまんじゅうを渡してを繰り返しているとやっと
人心地ついたのか
「ふぅ~、あ、そうや、今日きたんは。たっきーに相談しないことがあったからなんや」
そういって、腕を組んで前のめりになる芦屋道満
「人が火とならざる怪物へと変わって行っているらしい」
「、、、、、へ。
「いや、それも、なんちゅーかあれよ、わしも疑って見タン焼けどな
どうやら本当っぽいんや、ほんで、瀧夜叉盛姫のところへ来たってところ」
(、、、なるほど、でも、口にあんこつけながらじゃ説得力ないね)
そう思いながらも、それは今関係ないことだと思い、訪ねてみる
「それで人ならざる怪物って」