君の想いは僕のもの。




せいちゃんは、すごく冷たい声で周りにいた女の子立ちにそう言った。



〈ゆきりんが近くにいなかったからチャンスだと思ってたのに……!〉
〈ほんとね……〉



女の子たちは、そんなことを呟きながらとても残念そうにこの場を去っていった。



「ねえ、有季ちゃん。それは、やきもち?」



せいちゃんがわたしの腕を自分のもとへ引いた。



「ち、ちが……」



「なーんだ」



(だめだ。違くない。否定したの取り下げなきゃ……!)



「うそ。違くない。やきもち……です……」



「そっか。かわいいね。俺が他の人にさられるのが嫌なの?」



次は、わたしの髪の毛を撫でながらそういう。



ちなみに、教室のど真ん中で。



「うん……」



「どうして?」



もう、皆の前であんなこと言ったんだもん。恥ずかしくなんかない。



「それは……」



わたしは、まだ着替えていなかったせいちゃんのネクタイを引っ張り、キスをした。



「せ、せいちゃんの事か好き……だから!」
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