君の想いは僕のもの。
「え?ほんとに!?はやくせいちゃんに知らせないと!」
せいちゃんは、裕也が好きじゃないから会う度にいっつも喧嘩している。
「ねえ、月。裕也って?」
莉華がそう聞いてくる。
「俺たちの従兄弟でさ、そいつも有季のことが好きだから星汰兄と仲悪いんだよ……」
「うわぁ……。なにそれ」
莉華が若干ため息を混ぜながらそう言った。
「あ!せいちゃん!なんか今日裕也来るらしい……」
せいちゃんに急いで電話をかけた。
『え、まじ。あ〜でもいい機会かも』
「え?」
『裕也君来たら教えて〜?』
「うん!わかった!」
(せいちゃん、いつもなら死んでも会いたくないとか言うのにどうしたんだろう。)
「まあ、有季も大変なのね」
莉華がそう言って私の背中をポンポンと軽く叩いた。
「大変って、なにが〜?」