君の想いは僕のもの。



わたしは、急いでせいちゃんに電話をかけた。



「もしもしせいちゃん!?裕也きたっぽい!」



『うん。聞こえたよ。月の叫び声』



「やっぱり、せいちゃんもそれで気づいたか……(笑)」



裕也は、月に会う度になぜか毎回毎回キスをするのだ。しかも、口に。



(春ちゃんが月のこと守ってくれてるといいんだけど……。)



『姉貴がもう裕也って聞いた途端目光らせて探しに行ってる』



「さすが華歩姉……(笑)」



華歩姉は、裕也と同じ大学だったこともあってたまに一緒にお酒を飲む関係らしい。



「じゃあ、せいちゃんこっちこれる?」



『うん。今どこ?』



「体育館裏に隠れてる」



『わかった。すぐ行く』



「うん!待ってるね!」



そう言って、電話を切った。



「ねえ、わたし達なんで隠れてるの?」



「有季を守るためだと思って頑張って隠れて!」
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