君の想いは僕のもの。
「あ、莉華だ〜」
そう言って莉華に近づいて行ったのは奏ちゃんだ。
「げ。ばか奏だ……」
「へー。僕の名前にばかとか付けちゃうんだね〜」
「な、なによ」
「高嶺の黒薔薇姫のその口、塞いじゃおうかな?」
「そ、それを言うな!//」
莉華の顔が真っ赤になった。
奏ちゃんが言う黒薔薇姫とは莉華の事だ。わたしと友達になる前は、ずっと一人でいたからそう呼ばれている。
莉華は、すごく嫌がってるけど。
「奏、そこまでにしとけ」
「はいはい」
奏ちゃんはいつも基本的に真顔で、表情があまり表に出ないのに莉華の前でだけコロコロ変わる。
莉華も奏ちゃんの前でだけかっこいい女の子から可愛い女の子になる。
わたしにはわかってしまうのだ。2人ともお互いのことが好きなんだと思う。本人達は気づいてないみたいだけど。
2人のことは、せいちゃんも気づいてるみたいで、わたし達はあの2人を陰ながら応援している。