君の想いは僕のもの。
:莉華side:
《PM 2:00》
もうお昼もすぎたっていうのに奏が学校に来ない。
(今日は皆遅刻する日なの!?電話しても全然出ないし……。)
「さよ!ちょっと奏の家行ってくるから抜けるわね」
「はいはーい。いつもみたいにツンツンしたままじゃダメだからね〜?」
「ほんっと、余計なことしか言わないのね!?」
さよとはもう少しで、幼なじみになってしまいそうなくらい、ずっと近くにいる。
産まれてから最初に会った同年代の子は、わたしと一緒で実家がお金持ちなさよだし、幼稚園から高校までずっと同じクラス。
それに、好きな人もいつも被ってしまう。もちろん、奏も。だから、昔からさよとは犬猿の仲。
さよは、さわやかな顔をしてるくせに、とてつもなく腹黒い。
皆にはまだバレてないみたいだけど、きっとそれも時間の問題。