君の想いは僕のもの。
そんなことを考えていたら、あっという間に奏の住んでるマンションの部屋の前に来ていた。
“ピンポーン”
「はーい」
中から出てきたのは大きい男の人と5歳くらいの可愛い男の子。
「どちらさまですか?」
(家間違えたかな?いや、でも前田って……。)
「たくとくーん、誰か来たの〜?てか、今何時……?ってりか!?」
本当に驚いたようで、少しだけ後ずさりしている。
「りか!?じゃないわよ!奏、大遅刻よ!?」
「あ、莉華って奏の彼女の?」
そう言ったのは、奏にたくとくんとかよばれてたひと。
「え、今何時?」
お腹を擦りながら、眠たそうにしている奏。
「もう3時半よ」
「じゃー、こよまま後夜祭まで2人でお家デートしない?」
それは、つまりサボるってことだ。
(た、たまには悪くない……かも……。)
「い、いいわよ」
「やったー。おいで〜」
「おじゃまします」